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3月31日をもって、2023年度の「巣立ちプロジェクトⅡ 生と性~性的課題の視点からの障害者地域生活支援」を完了いたしました。


2023年度は、財団からの助成金と並行して、7月からは、北九州市からの事業委託「障害者意思決定支援推進事業」も受け、昨年より、拡がりのある展開だったかとは思います。

3月24日に、「意思決定支援者養成講座」も全15回の講座を修了し、今年度22名の参加者のうち、7名が80%以上出席され、プロジェクトチームより「修了証」を授与させていただきました。体調等で数回しか参加できなかった方もおられましたが、全体での出席率は、60.6%、各回平均の参加者は、13.3人でした。

講座を終えてのレポートの中では、

・この研修を通して、意思決定支援とは「対象者が自分のことは自分で決める」が、「整った支援環境の中で、適切な評価・アセスメントをもとに、対象者が理解できるように選択肢を提示した上で、対象者が自分のことは自分で決める」という説明ができるようになった。(これだけでは足りなさはあるが。)逆に言うと、意思決定支援を行うためには、そもそも対象者本人や支援者が、自分に必要なこと、改善しなければいけないこと、学ばなければいけないこと等を自己理解をしなければならない。

・現在、日々の事業所の業務の中で意思決定支援を行う場面は多々ある。今回の研修を定期的に振り返って、支援の質を維持・向上させることが私自身のミッションである。

・全体を通して「支援者はリスクより安全を選びがち」との言葉が何度も身に刺さりました。リスクを重視し、否定するのではなく、チャレンジを促せるような支援が出来るように今後も学び続けたいと感じました。

・性の課題以外にも仕事や趣味等、本人のしたいことを自由に選択し実行できるために、支援者として本人理解や意思の尊重は大前提で、その上で失敗する権利もあることを共有し、失敗しても一緒にその振り返りができるような関係性を築き、本人らしく、本人のペースで次に進めるような支援ができるよう、今後も学びを続けながら伴走していきたいと思います。

・意思決定支援・生と性、障害のある人は、いろいろなことを学ぶ機会すら奪われているのではないかと思う。そして、自己決定という時、私たち支援者・関係者・家族が、機会を奪っているのではないか。少しでも寄り添う支援を続けるために、支援者・関係者・家族が自己決定について、自分を振り返り反省し、学ばなければならない。その意味でも良い機会をいただいた研修だった。

・・・

啓発講演(6回)には、277名の方々に参加いただきました。このプロジェクトがそもそも「親亡き後」をテーマとした家族の勉強会がスタートだったこともあり、参加者が一番多かったのは、(一社)OSD (親が 死んだら どうしよう)の会でした。

ネットワークのモデル作りでは、昨年の3名の方に加え、今年も3名の方を追加。おひとり、法人内の通所施設を退所するに伴い、「通ってもいないところに相談するのはおかしい」との本人の意向が強く、一旦、停止の形をとっています。現在、5名の方の支援を継続中です。加えて、昨年度受講生の現場での実践があり、今年度の講座の中で実践報告を、またカンファレンスに事例を提供していただいたりしました。フォローアップメンバーもいろんな形で協力しました。2024年度は、6名のフォローアップメンバーとも協働していきます。


「地域で自分らしく暮らす」ことが水や空気のように当たり前である社会(昨年の青木佳史弁護士の資料より)・・を目指して、今後も、引き続き、様々な実践を積み重ねていきたいと思います。

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